私にとっては、忘れられない一冊。まったくデザインなんてしたことのなかった当時、絵や文字を適当に並べて「う~ん」と考え込んでばかりだった。どんなに一生懸命考えても、出来上がるものといえば一言で言うと美しくない。報告書一枚にしてもそうだ。
きっかけは、とあるデザイナーさんが時間が空いてるから手伝ってあげるよと仕上げてくれた報告書。美しい。自分で書いた報告書はと比べれば一目瞭然だった。その人が書きあげた報告書が眩しくみえた。数時間をかけて書いた自分の報告書を見て、情けなさで一杯になった。
それをデザイナーさんに言ってみたら
「あぁ、簡単ですよ。コツがあるんです」
と、この本を紹介してくれた。
例えるなら、遭難して「もう駄目から知れない」と思った矢先に、救助のヘリが現われた時といったら伝わるだろうか。伝わるわけがない、私は遭難したことないんだから。
それぐらい感動した。衝撃だった。なんのことはない、デザインの世界にもハウツーなるものがあって、基本的なことを学んでおくだけでも、そこそこのものは作れるようになるのだ。もちろん、練習はしないといけないけれど、デザインについて学んだことがないなら、この本がきっと助けてくれる。
ただ、本当に「どうやったら美しくデザインできるのか?」と悩んでいる時に読まないと効果がない本だ。
この本に書かれているデザインのルールは基本的なことばかりだし、これを読んだからといって、いきなりデザイナーになれるわけではない。
あくまで、デザインを学んだことがない人が読む最初の一冊。仕事で報告書や企画初を美しく仕上げたい人、デザインに興味を持ち始めた人の入門書としておすすめです。